寿製薬株式会社
肝に発生する良性腫瘍で、最も頻度が高いとされています。血管系組織の拡張による海綿状血管腫と、胎児期の血管組織の遺残物が増殖した2種類があるといわれていますが、前者がほとんどです。
症状としては、そのほとんどが無症状で、肝の画像診断(超音波検査、CTなど)で、偶然に発見されることが多いようです。ごく稀に、巨大なもので、血管腫内で血栓症を引き起こし、DIC(播種性血管内凝固障害)を来す場合(Kasabach-Merritt 症候群という)は、全身の出血症状が現れます。また自然破裂を来すことがあるともいわれており、その場合は腹腔内出血による腹痛、貧血、出血性ショック症状などが現れます。
診断は、時に肝癌との鑑別が問題になることがありますが、超音波検査、CT、MRなどの画像診断法でほぼ確定できます。その画像の特徴は、造影CTで造影剤が長く腫瘍の部分に停滞すること(肝の門脈相においても造影剤が残る)、MRのT2強調画像で、液体貯留と同等の高い信号値(白く映る)を示すことです。治療については、無症状であれば、必要はありません。有症状であれば、外科的切除(肝切除)の適応となります。
あなたは日本国内医療関係者ですか?
このコーナーでは、医療用医薬品を適正にご使用いただくために、国内の医療関係者の方(医師・薬剤師等)を対象に情報を提供しております。 国外の医療関係者及び一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。